中学生部門 最優秀賞

拉致問題を考えて

大阪府堺市立津久野中学校 1年 新谷 昂

「僕だったら…。」
恐怖が体を襲った。学校で「めぐみ」のビデオを視聴した。もし僕がめぐみさんと同じように、知らない人に、知らない国へ連れていかれたら、生きる気力を失っていただろう。ただただ、「夢であってほしい。」「信じたくない。」と願っていたかもしれない。家族とも生き別れてしまい、自分はこれからどうなるのだろうという、大きな不安と絶望に追い込まれてしまうだろう。しかし、めぐみさんは日本にいる家族のためにくじけず、希望を抱き、前を向いたのである。僕は強く感心した。「命以外、全て奪われた。」これは、拉致被害者の蓮池薫さんの言葉だ。自分が自分でなくなる、生きている意味もなくなる気がする。僕はこれまで、「拉致」は何気なく耳にし、酷いという、単純な考えを持っていた。しかし、僕の考えていた「拉致」と現実は大きくかけ離れていた。

「拉致問題」を少しずつ調べていくと、「どうでもいい」という、キーワードが出てきた。僕は驚いた。国民の中には興味がない人も少なからずいると感じた。早紀江さんと二人三脚で、全身全霊でがんばってきた横田滋さんが、2020年6月に亡くなった。とても無念だっただろう。唯一の救いは、2014年に孫のキム・ウンギョンさんとその子に面会を果たしたことだ。当たり前のことがようやく実現したと話している。早紀江さんは、「欲しいのは言葉よりまごころと行動だ。」と言っている。

「拉致問題」は日本と北朝鮮の国家間の問題であり、北朝鮮の一般人を責めたり、差別したりしないようにしなければならない。新たな人権問題が起きてしまう。これを解決するために、日本全体が取り組むことが大切だと考える。

何かできることはないか。身近な署名運動に参加したり、ニュースなどで積極的に報道すれば国民の関心が高まると思う。風化させず、いろんな意見を出し合えば良いと思う。けんかするのではなく、日本から歩み寄り、対話を重ねるべきだと思う。そうすれば事実を知り、解決へつながると思う。

今年は東京五輪が開催される。スローガンは、「感動で、私たちは一つになる。」だ。世界の人々と交流を深め、助け合いができれば、このようなことは起こらないと思う。世界が一つになり、拉致問題の早期解決を願う。